[ 発信者:JCS ]
小田和正のファンで、かつ日本のメディアコンテンツに対して鋭く現実的な見解を語ってくれた、ベトナムからのコ・フェスタアンバサダーホアさん。ベトナムではあまり日本のコンテンツが浸透しておらず、それに対する冷静な指摘と、将来的な可能性について語って頂きました。
ホア:ベトナムハノイ出身。早稲田大学商学部の2年生。
―日本のどこが興味深いと感じますか?
ホア:「日本は伝統的な価値観と現代的な価値観、両方が混在しているところが一番面白いと思います。」
―最近気になっているものを教えて頂けますか?
ホア:「最近小田和正の音楽に夢中なんです!みんなに「渋い」っていわれます(笑)。特に、歌詞に思いがこもっているし、聴くと自分にしっくり来るんです。自分と歌との共通点があるというか。その前は大塚愛にはまっていました。」
―ベトナムにいた時は、どのようにして日本の情報を得ていたのですか?
ホア:「高校生の時、日本語の勉強を初めてからアニメを観たり、マンガを読んだりして語学だけではなく日本の文化についても学んでいました。以前は、ベトナム語で日本のメディアコンテンツについて情報発信をしているウェブサイトがたくさんありましたが、最近ではそのほとんどが閉鎖されてしまっているのです! 予算の関係で続けられなくなってしまったのです。ベトナムにいる人は、どのように日本に関する情報を得ているのか、私も想像がつきません。」
―それは悲しい事実ですね。日本でもそのようなウェブサイト再建を支援できれば良いのですか。
ホア:「そもそもベトナムで日本のメディアコンテンツに触れられる機会をもっと増やすべきだと思います。身近に消費出来るコンテンツがなければ、情報提供の場を作っても意味がないと思います。」
―ベトナムの若い人の間で、日本に関する関心は高まっていると思いますか?
ホア:「高まっていると思います。メディアコンテンツに対する関心だけではなく、ベトナムから日本への留学生や、ベトナムでビジネスをする日本企業などの存在により、文化的なイベントも開かれています。例えば、「ハノイお盆祭り」や、毎年4月ホーチミンでの「桜祭り」などが挙げられます。私も「桜祭り」にはボランティアとして参加しました。他にもマンガ、アニメ、コスプレ系のイベントが開かれる「マンガ祭り」などでもボランティアをしました。」
―ベトナムでは受け入れられないのでは、という分野は何か思いつきますか?
ホア:「ベトナムでは韓国のアイドルが既にかなり人気なので、アイドルという分野はもう難しいと思います。「スーパージュニア」や「少女時代」などを見て分かるように、韓国のアイドルは「かっこいい」を売りにしていますが、日本のアイドルは「チアリーディング」にしか見えません。韓国のアイドルにはそれぞれスタイルがあると思います。だからといって日本のアイドルが同じ戦略を使ったとしても、韓国アイドルの真似をしている、と指摘されてしまうと思います。ベトナムでは、ドラマや音楽、アイドルの分野でも総じて韓国のメディアコンテンツがメインストリームだと言えます。」
―以前コ・フェスタアンバサダーの報告会で、日本のドラマをベトナムで流行らせる方法についてプレゼンをしたそうですね。それについて少し教えて頂けますか?
ホア:「はい。日本のドラマがベトナムで流行らない理由を分析した上で、提案として「日本ドラマを放映するウェブサイト」の構築について経済産業省に向けてプレゼンをしました。流行らない理由については、エピソード数、放映時間帯、ローカライズの不自然さ、日本とベトナムでの「流行るイケメンの基準」の違いであったり、多岐にわたります。ですがベトナムで日本語学習者が増えている事実や、若い人たちの間でインターネットで海外のドラマを見ることが当たり前である背景を踏まえて、私たちチーム・ベトナムはドラマを通して日本語を学ぶためのプラットフォームを構築する提案をしました。しかしまだ実現に向けては具体的に動いていません。」
―コ・フェスタアンバサダーの経験を通して、将来何をしたいですか??
ホア:「将来は日本で働きたいです。特に総合商社か銀行に興味があります。大学で「三菱商事」についての知る授業があり、仕組みが非常に興味深いと思いました。それに自分にとって挑戦してみたいと思う仕事でした。」
ホアさん、インタビューにご協力頂きありがとうございました!
この回を以て、今年のコ・フェスタアンバサダーに学ぶ日本コンテンツの現状シリーズはひとまず終了致します。もし皆さまにご指示頂けるようであれば、またこのコーナーを再開いたしますので、Facebookなどでご意見を頂けると幸いです。
vol.1 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.1 ≪アメリカ版≫
vol.2 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.2 ≪インドネシア版:前編≫
vol.3 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.3 ≪インドネシア版:後編≫
vol.4 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.4 ≪メキシコ版:前編≫
vol.5 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.5 ≪メキシコ版:後編≫
vol.6 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.6 ≪タイ版≫
vol.7 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.7 ≪フィリピン版≫
■コ・フェスタとは
http://www.cofesta.jp/
■「コ・フェスタアンバサダー」とは
コ・ フェスタ実行本部が、日本コンテンツのファン(外国人消費者) を巻き込み、コ・フェスタの関連イベントやその出展事業者に対して(1)マーケティング活動(消費者の声からマーケットの実態を把握し業界の皆様に届け る)、(2)プロモーション活動(消費者の声を通じて日本コンテンツの魅力をマーケットに伝える)を提供する取り組みです。
国内外で毎年150名をアンバサダーとして認定し、協力を得ています。