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コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツの現状Vol.7 :<<フィリピン版>>

2014.09.16 コ・フェスタ アンバサダー インタビュー

[ 発信者:JCS ]

コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツの現状Vol.7 :<<フィリピン版>>

さて、9月に入りコ・フェスタアンバサダーへのインタビューも残すところあと2回となりました!今回はフィリピンからの留学生、ティファニーさん(左)とヘルリンさん(右)を迎え、彼らの目線からの日本コンテンツ、またフィリピンの方と一緒に仕事をする上での心得や特徴を紹介していただきました!

ティファニー:マニラ出身。日本に住んで3年。東京大学の修士課程で地球温暖化について研究中。最初の来日は2009年、交換留学生として。
ヘルリン:日本に来て11か月。早稲田大学博士課程で国際関係学を学ぶ。日本で撮りたい映画の脚本があるそうです。


―まず、なぜ日本へ留学しようと思ったのか、きっかけを教えて下さい。

ヘルリン:「私は修士課程では「日本のメディアにおける男性性の表象」というテーマで論文を書きました。現在は国際関係学を専攻しており、今の研究も全く違うテーマなので、「なぜ日本を選んだのか」とよく聞かれます。でも日本以外に自分の興味に相応しい場所が見つからなかったのです。」


ティファニー:「高校生の時に、日本のアニメーションが大好きなアーティストの友達に、一緒に日本語を勉強しようと誘われて日本語を勉強し始めました。その後も、学んだ日本語を忘れたくないと思い、最初は名古屋で交換留学をしました。その後、いくつかのインターンシップを通して日本に来る機会が何回かありました。」


―日本のどんな面に一番興味がありますか?
ヘルリン:
「今はジャニーズのアイドルに一番興味があります。特にKAT-TUNが好きで、今週末も仙台にコンサートを観に行きます。それに、修士論文では亀梨和也にフォーカスして書きました。取り扱った題材は、ドラマ、コンサート、お芝居、雑誌などです。ポップカルチャーやメディアコンテンツの他にも、日本の歴史や言語にも興味があり、大学の時に学んでいました。」

ティファニー:「私は日本のポップ音楽に興味があります。特にCREAMというバンドは、現在はオリジナルが多いですが以前よりカバー曲を出している時からフォローしていました。また『るろうに剣心』の実写版が今上映していますが、小さい頃に本当によく観ていました!でも個人的にはやはり音楽やアニメより、日本の技術が好きですね。」


―ヘルリンさんは子どもの頃によく観ていたコンテンツはありますか?

ヘルリン:「私の場合は、子どもの頃は『幽☆遊☆白書』がテレビで放映されていてお気に入りのアニメでした。しかし大きくなるにつれて、アニメよりテレビドラマや映画などに興味を持ち、それから日本の俳優などを知るようになりました。具体的には、タガログ語に吹き替えされた『ごくせん』を観ていました。最近は専ら韓国のドラマがテレビでも放映されており、日本のドラマが入ってくることは滅多になくなりました。」


―韓国のドラマは今本当に国外で強いとみなさん口を揃えて言いますね。日本のドラマと韓国のドラマの違いを挙げるならどのようなことですか?

ティファニー:「私が感じるのは、韓国ドラマは恋愛ものの、それもかなりどろどろした内容のものが多いですが、日本のドラマは根底に「ドリーム・カム・トゥルー」のテーマがあると感じます。主人公の目の前に大きなハードルがあり、それを乗り越えるために「頑張る」という姿勢が重要視されているように感じます。」

ヘルリン:「私も韓国ドラマの方が、日常的なイベントを取り扱っているという意味では「現実主義」だと思います。日本のドラマはアニメやマンガに基づいているものが多く、どこかマジックリアリズム的な要素が感じられます。すべてが面白おかしく、多少ありえないだろう誇張も入っているため、どこか地に足ついていない印象があります。また日本のドラマで好きな所は、10~12エピソード程度で短めだということです。韓国のドラマは20エピソード以上あるものが多く、ついていくのが大変です。」


―フィリピンのTVドラマはどのような感じなのですか?

ティファニー:「最近のトレンドはもっぱら恋愛もので、特に三角関係ですね。」

ヘルリン:「フィリピンドラマのトレンドの多くは、メキシコから来ています。「裏切り」や「取り替え子」、「愛人」などのテーマは特に多く、ドラマに必ずといって良いほど出現します。フィリピンはカトリックの国で、唯一「離婚」が制度として認められていない国なので、このようなテーマが出てくること自体が面白いですね。」

ティファニー:「結婚して別れたいと思えば可能ですが、結婚自体「なかったこと」にする「結婚破棄」('annulment')をしなければなりません。」

ヘルリン:「また、フィリピンには'Fantaserie'(Fantasy + Series)と呼ばれる、人魚姫などが出てくるファンタジックなシリーズのジャンルも人気です。どちらかといえばフィリピンは、Marvelコミックのようなアメリカの影響が強いですね。」


―フィリピンの方とビジネスをする際に、日本とは違う点で知っておいた方が良いことはありますか?例えば日本では、上司や同僚達と親睦をはかる「飲みニケーション」文化がありますが、フィリピンではどうですか?

ティファニー:「仕事仲間とも飲みには行きますが、日本のように堅苦しくないし、参加必須でもありません。親睦を深めるのにアルコールはいらないのです。どちらかというと、私たちは「食べる」文化で、仕事仲間うちでも一緒に食べるという行為が尊重されます。また、「メリエンダ」と呼ばれる間食の文化があります。元々はスペイン語から来ている単語です。」

ヘルリン:「イギリス人にとっての「ティータイム」が、フィリピン人には「メリエンダ」なのです。2〜3時間に一度は休憩して食べているので、端から見ると「なんでいつも食べてばかり?」、「なんで全然働いてないの?」と思う人もいると思います。」

ティファニー:「私たちは日本人に比べてあまり形式ばらず、ゆっくりしています。フォーマルすぎると、よそよそしくて働きにくい人と思われてしまいます。」


―日本のメディアコンテンツの情報をどのようにして得ているのか教えて頂けますか?

ギフト:「ほとんどはFacebookのコミュニティからですね。「Life Journal」というウェブサイトは日本のコンテンツに関する良いコミュニティグループがあります。もうひとつ、アーティストやコスプレイヤー向けに画像をアップして共有する「deviantART」と呼ばれるサイトがあります。私自身も、友達と一緒に「Manila Foodistas」というブログを持っています。日本での日常生活、主に食べ物についてポストしています。」


ティファニーさん、ヘルリンさんお二人ともありがとうございました!「日本ではまだ、フィリピンと言えばバナナとフィリピンパブ」と語るお二人から、日本コンテンツのフィリピンでの開拓可能性を垣間見れたのではないでしょうか。 お次はJapan Content Showcase 2014開催前最後のインタビューシリーズになります。取り上げる国は・・・≪≪ベトナム≫≫です!



vol.1 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.1 ≪アメリカ版≫
vol.2 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.2 ≪インドネシア版:前編≫
vol.3 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.3 ≪インドネシア版:後編≫
vol.4 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.4 ≪メキシコ版:前編≫
vol.5 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.5 ≪メキシコ版:後編≫
vol.6 :コ・フェスタアンバサダーに学ぶ、日本コンテンツを取り巻く現状 vol.6 ≪タイ版≫


■コ・フェスタとは
http://www.cofesta.jp/

■「コ・フェスタアンバサダー」とは
コ・ フェスタ実行本部が、日本コンテンツのファン(外国人消費者) を巻き込み、コ・フェスタの関連イベントやその出展事業者に対して(1)マーケティング活動(消費者の声からマーケットの実態を把握し業界の皆様に届け る)、(2)プロモーション活動(消費者の声を通じて日本コンテンツの魅力をマーケットに伝える)を提供する取り組みです。
国内外で毎年150名をアンバサダーとして認定し、協力を得ています。

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